不定詞と動名詞にあるニュアンスの違い
「不定詞と動名詞の違い」
これはよく目にするものの一つではないだろうか。
とにかく出題されやすいものの一つで、
TOEIC も例外ではない。
その中でも
・ 不定詞しか取れない動詞
・ 動名詞しか取れない動詞
・ 両方とれる動詞
・ 両方とれるが意味が異なる動詞
これらが圧倒的に多い気がする。
そして、それらの動詞を丸暗記
もしくはゴロで何とか覚える…
というのが良くありそうな感じである。
一応理屈らしきものはあって、
それを理解すると多少は負担が減る。
というわけで、今回はその理屈に当たる
両者のニュアンスの違いについて簡単に整理する。
この動詞で取れるのは不定詞?動名詞?
「動詞によって不定詞か動名詞かどちらかでしか
目的語を取れない」
というのは
一度は耳にしたことがあるのではないだろうか。
まずはどういうものがあったのか
それらを軽くおさらいをしていこう。
不定詞しか目的語をとれない動詞は
decide (決める)
hope (望む)
expect (期待する)
plan (計画する)
want (~したい)
…
などがある。
一方、
動名詞しか目的語を取れない動詞は
admit (認める)
deny (否認する)
consider (熟考する)
avoid (避ける)
mind (気にする)
…
などがある。
一見すると、全然関係なさそうな動詞ばかりで
覚える単語も多い。
だから丸暗記に走りたくなるのも無理はないが、
実はこれらの動詞には
それぞれとある共通点があるようだ。
未来志向と過去志向
それは、
to 不定詞には未来志向のニュアンスがあり
動名詞には過去志向のニュアンスがある
ということだ
この辺りは割と聞くのではないだろうか。
ただ、単に文字だけを暗記したとしても
それだけでは使えるようにならないので
もう少し深く見ていくことにしよう。
to 不定詞の未来志向のニュアンス
未来志向のニュアンスというのは、
「これから~する」という意味が含まれている
ということが出来る。
また、これからするということは
「まだ実際にそうなっていない」ということも言える。
具体性がなく、ぼんやりとしているイメージのようだ。
先ほど挙げた英語の動詞に当てはめてみよう。
そうすると次のようになる。
decide :(これからすること)を決める
hope :(これからすること)を望む
expect :(これからすること)を期待する
plan : (これからすること) を計画する
want :(これから)~したい
たしかに、どの動詞も「これからする」という
不定詞の未来志向のニュアンスと相性がいいことが
とても良く分かる。
動名詞の過去志向のニュアンス
過去志向のニュアンスというのは
「すでにしている」という意味が含まれている
ということだ。
そしてここからイメージを発展をさせると
ある具体的な状況がはっきり思い浮かぶ
というのも動名詞にはある。
この辺りは、理論的な思考が必要であるが
そう難しいものではない。
先ほど挙げた
admit (認める)
deny (否認する)
consider (熟考する)
avoid (避ける)
mind (気にする)
で考えてみよう
〇 admit , deny
「過去にすでに何かしている」という事実がないと
認めたり、否認したりできない。
stop 、 quit、give up もこの分類に入りそうだ。
「過去にすでに何かしている」ものがないと
止めることができない
〇 consider
「ある具体的な状況やイメージ」がないと
熟考できない。
この他にも、
suggest, recommend もここに入りそうだ。
何もないところから提案したり、オススメなんてできない。
「ある具体的な状況やイメージ」があってこそ初めてできる。
〇 avoid, mind
consider と同じ感覚で、
「ある具体的な状況やイメージ」を想定していないと
避けようとも思わないし、気にするとも思わない。
「過去にすでに何かをしていた」ことや
「ある具体的な状況やイメージ」である
動名詞の過去志向のニュアンスと相性がいい。
to 不定詞と動名詞の性格は正反対?
こうやって調べてみればみるほど、
to 不定詞と動名詞は「正反対なニュアンス」
であると気づくことが出来る。
未来志向の「これからする」と
過去志向の「すでにしている」もそうであるが
「ぼんやりとしていて思い浮かべられないもの」と
「具体的にはっきり思い浮かべられるもの」
この点においても正反対なニュアンスではないだろうか。
これまで覚えていた、「未来志向」「過去志向」が
はっきりとコントラストを成しているのが分かり
より深く理解できたような感じがした。