TOEIC 実験メモ

「TOEIC 実験記」のサブブログです。主に英語に関する雑記や記録を書いていきます。

とある「格」を輸入してみたら SVOO がシックリきた件

 

この格、もしかして SVOO がシックリくるのでは!?

 

◆ SVOO がシックリきた「格」とは?◆

英文法の中で、「〇〇格」がつくものといえば
「主格」「所有格」「目的格」が思い浮かぶだろう。

I,my,me  や  you,your,you  みたいな人称代名詞の活用
関係代名詞に登場するイメージがある。

そして、最近初耳であった
SVC「主格補語」とSVOC の「目的格補語」
「〇〇格」という言葉がついている。

主格補語と目的格補語については

すぐ下の「第 5 文型と目的格補語」で
まとめてあるので併せてご覧いただきたい。

delph.hatenablog.com

 


今回の記事はこの「続編」のようなものである。


文型を深く理解するカギはもしかすると「格」の存在なのでは?
と思い、新たにその記事を書いていた。

SVC と SVOC と同じくらい特殊と感じられるのは
やはり SVOO だろう。


目的語を二つ取る文型で
それぞれ「間接目的語」「直接目的語」と呼ばれている。


だが「間接」と「直接」という言葉だと
シックリこないような気がする

そこで今の英語にはない
とある「格」を入れてみたら…?

 

格について



格というのは、簡単に言えば
日本語でいう「が」「は」「の」「に」「を」

のような助詞の役割をするものと考えれば問題ない。

日本語にも「格助詞」という
今回のテーマにピッタリの助詞があるので、
それと英語の格とを比較してみようと思う。


なお、日本語の格助詞の役割は多数あるが、
今回は英語の格に対応するものだけに絞って
紹介してあることにご留意いただきたい。


簡単な表にまとめると以下のようになる。

格助詞 日本語での役割 英語の格
は / が 主語を表す 主格
所有・所属を表す 所有格
与えられる相手を表す 目的格
対象を表す 目的格

 

 

日本語の「に」と「を」に当たる部分が、
英語ではまとめて「目的格」になっている。

目的格というと
me や you, him, her に当たる部分だが
これだけで「~に」「~を」
の両方の意味を表せる。

というよりは「~に」「~を」にあたるスペルが
同じであるから一緒にした感じだろうか。

一見こうした方が楽そうに見えるが、
同じスペルだからと言ってひとくくりにすると
困ってしまうことが起こる。

 

ひとくくりにすると不都合なこと


それがイントロで登場した文型
SVOO だ。

分かる人であれば
「一番目の O は間接目的語で
二番目の O は直接目的語」
とすぐ出るかもしれないが、

単に「SVOO」 と書かれていた場合

「この二つの目的語は同じものなの?」
と誤解される可能性がある。

本当なら「~に」と「~を」なんて
似つかないし意味も違ってくるはずなのに

単に同じスペルだからといって
ひとくくりにすると、

「~に」の O なのか、「~を」の Oなのか
区別がつかなくなり、初学者には混乱のもとに
なるのではないだろうか。


「間接目的語」「直接目的語」も分かりにくい


一応、英語で英文法の説明をしているところでは

direct object(直接目的語)
indirect object (間接目的語)

とそれに対応する単語の説明はされているが

「間接目的語」や「直接目的語」という言葉を聞いて
これがどんな働きをするのかすぐに思い浮かべられるだろうか?

「~に」にあたるものが間接目的語で
「~を」にあたるものが直接目的語

というのが良くありそうな回答ではあるが


与えられる相手の役割を示す助詞がなぜ「間接」と呼ばれて、
対象になる役割を持つ助詞がなぜ「直接」と呼ばれるのか

これもまた説明しなければいけない。
そして、またややこしくなる…。

 

こうして考えてみると、
「間接」とか「直接」という言葉では
ピンと来ない人が多いのではないだろうか。

とある「格」を輸入してみた

こういう問題に直面したので、
どうにか解決できそうなものがないか
「格」について調べてみた。

今の英語にはないが
この SVOO をスッキリと説明できそうな
とある「格」を見つけたので、

それを輸入して当てはめてみることにした。


そのとある「格」とは

「与格」「対格」

である。

ドイツ語やフランス語、ロシア語 等
ではこういう格の名前を
聞いたことがあるかもしれない。

今の英語では廃止されてしまっているが、
昔の英語は、与格・対格というのがあったらしい。
細かい役割等は抜きにして、名前を借りていきたいと思う。

これを踏まえて、言語学での格の呼び方を
追加したものが以下の表になる

格助詞 日本語での役割 言語学での呼び方 英語
は / が 主語を表す 主格
所有・所属を表す 格(所有格) 所有格
与えられる相手を表す 目的格
対象を表す 目的格

 

一見難しそうな単語かもしれないが、


語を表す (~は、~が) ➡ 主格
所有を表す (~の) ➡ 属格(所有格)
えられる相手を表す (~に)与格
象を表す (~を) ➡ 対格

と、意味的にもつながるので
分かりやすさはピカイチではないだろうか。


与格は「与える」の意味なのでは?
と思うかもしれないが、

与格は英語で dative で
ラテン語「与えられた」というのが由来のようだ。
きちんと受け身の形であることが分かる。

さて、与格・対格を使うからには
新たに名前を付けてみたいと思う。

与格・対格は目的語に当たるので

「主格補語」「目的格補語」になぞらえて
「与格目的語」「対格目的語」
仮に名付けておくことにする。


SVOO を「与格」「対格」で呼んでみた 

 

ようやくではあるが、SVOO を
与格・対格を使って呼んでみることにしよう。

順番は覚えないといけないが

一番目の O は 「~に」なので「与格目的語」
二番目の O は 「~を」なので「対格目的語」


ということになる。

 

与格の「与」は「与えられる相手」

ということは、「与格目的語」は
「与えられる相手」を表す目的語で


対格の「対」は「対象」

ということは、「対格目的語」は
「対象」を表す目的語

となる。


「直接」とか「間接」では遠回りをしないといけなく、
説明するとややこしくなるものが、

与格・対格という言葉を使うと
シンプルかつ一貫しているので分かりやすい
と感じるのではないだろうか。

SVOO を取る動詞といえば?


基本的に SVOO  を取る動詞といえば

give, offer , teach などの「与える系」
いわゆる「授与動詞」と呼ばれるものが多い。

与えるの意味を確認すると

他の人に~
相手に~

といった感じで「相手ありき」
記載されているのが分かる


つまり、「与える」という言葉を成立させるには
単に与える対象のモノや情報、内容だけでなく
それを与えられる相手もいなければならない

与える側と与えられる側の両方がいて
初めて成り立つのが SVOO なのだろう。

 


動詞は「える系」の動詞。

ということは、与える対象物(対格目的語)だけでなく
与えられる相手(格目的語)が必要だ。

そうすると、目的語が二つ必要であることが分かるので
それがある文型は SVOO ただ一つである。

もしくは、格目的語を必要としているのだから
それがある文型は SVOO ただ一つということもできる。


意味を理解する必要はあるが

「与える系」の動詞が来たら
「間接目的語」「直接目的語」がある SVOO をとる

とよくある文法書の文章通りに覚えるよりも

える系」の動詞が来たら
えられる相手を表す「格目的語」が必要で
それがある文型は SVOO だ


といった感じに
「与」という漢字にフックが多くかかるような
覚え方なら分かりやすくなるのではないだろうか。

 
どちらで覚えるかは自由ではあるが

自分は「与格」「対格」を輸入してみたら
すごくシックリ来てそのインパクトが大きかったので、
自分の範囲内ではあるがこれからも使ってみようと思う。